看護学校を出て一通り看護スキルを身につけた看護師でも、どうしても得手・不得手が出てきます。得意な業務と苦手な業務がはっきり分かれることも多く、苦手な業務に精神的なプレッシャーを抱え込んでしまうケースも珍しくありません。

そんな看護師が苦手意識を持ちやすい業務の中でも、最も多いのが採血や点滴といった注射系の業務です。やはり患者の体内に針を打つのはとても緊張を強いるものですし、もし失敗したらとの不安がつきまといます。加えて血液や針そのものへの恐怖心を感じることも多く、これが苦手でなかなか職場に馴染めない悩みを抱えてしまいがちです。

似たようなケースで、もう少し高度なスキルが求められる業務も挙げられます。抹消静脈留置やカテーテルといったものは、失敗すると患者にあざを作ってしまうなどの問題が起こることも多いです。そのため、何度やっても慣れずに緊張する看護師が少なくありません。

また、患者相手に行う業務ではなく看護記録に苦手意識を持つ看護師もよく見受けられます。ただでさえ忙しい勤務環境の中で、しかも非常に細かい部分をチェックして記録していかなければなりません。加えて自分だけでなく、他者が後で見返したときにしっかりと理解できる内容であることが大前提であり、これが面倒でいつまで経っても慣れないのです。ただし、近年ではIT化の推進で看護記録の負担が軽減されつつあるので、今後はそれほど苦手意識を感じることはなくなるかもしれません。