採血に関しては、経験を積むことが大事だと言われます。単に数をこなしてスキルを磨くだけでなく、精神的なゆとりを持つうえでも経験が重要です。たとえば不測の事態が生じたときや血管の位置が確認しづらい患者のときにも、経験が豊富なら過去の例を参考にすると落ち着いて対処できるでしょう。採血が苦手な看護師が状況を改善するには、プレッシャーを抱えにくく経験を積める環境で勤務することが重要です。

よくある問題として、採血が苦手で十分な経験を積んでいないにもかかわらず、人手不足などの理由で採血の頻度が多かったり、高い採血スキルが求められたりする職場で働くケースが挙げられます。十分な教育を受けずにいきなり現場で作業させられて失敗すると、それがトラウマになることも珍しくありません。

そのため、どうしても採血が苦手、怖いという場合には担当する部署を変えてもらうか、それが難しいなら思い切って転職を考えてみましょう。たとえば精神科や集中治療室、手術室など採血の機会がそれほど多くない職場、小児科や大学病院など医師や研修医が採血を行う職場などがあります。

後は、やはり教育環境が充実している職場で働くことが最も確実でしょう。基本的なスキルを教えてくれたり、いきなり一人で採血を任せることがなかったり、失敗してもしっかりフォローしてくれたりする職場です。こうした教育環境が用意されていれば、採血が苦手な看護師でもじっくり時間をかけて経験を積んで慣れていけるでしょう。